THE 赤字工事

プラント工事・配管工事で赤字になる理由【内作率】

ショップ率(内作率)の数値による原価の増減

配管物量である総DB(インチダイヤ)数に占める工場製作DB数の比率を「内作率、ショップ率、プレハブ率」(以下 内作率)と言います。

溶接配管の一式工事において、この内作率は非常に重要な数値となります。内作率が高いほど全体の動員数は下がります。逆に内作率が低いほど全体の動員数は上がります。

高内作率⇒低動員数
低内作率⇒高動員数

次の表は建設工事の一例で、様々な材質や口径の配管を集計し弊サイトで販売中の歩掛表を使用し動員数を計算した表です。

15,000DB(インチダイヤ)、13,000BM(インチメーター)の配管の動員数を集計しています。

内作率   (%) 工場製作 現場取付 合計
溶接工 配管工 溶接工 配管工
189 378 411 1,250 2,228
207 413 372 1,132 2,124
225 449 333 1,015 2,022
242 484 294 898 1,918
260 520 255 781 1,816
276 552 216 664 1,708
294 587 177 547 1,605
311 621 137 429 1.498
328 656 98 312 1,394

 

 

左側の内作率の数値が気になりますね。

内作率  (%) 工場製作 現場取付 合計
溶接工 配管工 溶接工 配管工
50 189 378 411 1,250 2,228
55 207 413 372 1,132 2,124
60 225 449 333 1,015 2,022
65 242 484 294 898 1,918
70 260 520 255 781 1,816
75 276 552 216 664 1,708
80 294 587 177 547 1,605
85 311 621 137 429 1.498
90 328 656 98 312 1,394

この表は内作率50%~90%の動員数を表にしたものとなります。

この表から読み取れる情報は、内作率が5%変動すると動員数は5~7%変動する、ということです。

 

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見積もり、積算、実行予算組みについて

溶接配管工事の見積書作成、実行予算組立の流れですが

①内作率70%で見積書を作成
②内作率85%目標で実行予算を組む
③配管工が現場溶接部(FW)を決定する

①の70%ですが、配管工事を行う現場の状況が不明な中での見積もりとなる為、基本的には70%とする事で「可もなく不可もなく」という数値になります。

②の85%ですが、内作率の目標値であり現場の状況によっては85%以上になる事も、85%以下になる事も有り得ます。

③現場溶接部は「熟練の配管工」に決定してもらうのが一番現実的です。現場溶接部の決定は、事務方や設計サイドでは絶対に行ってはならないです。

 

内作率の数値が示す損益

上記の表を参考に内作率が及ぼす影響を考えます。

・内作率70%で見積もり、実行ベース内作率80%の場合211工数(溶接工、配管工合算)の得

・内作率70%で見積もり、実行ベース内作率60%の場合206工数(溶接工、配管工合算)の損

・内作率80%と60%の差は417工数で、金額的にはとても大きい差額となります。

実行ベースで内作率を「どこまで上げられるか」が工事着工前の勝負どころとなります。