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令和4年度 後期試験問題|解答|詳細解説

【No.1~No.6】一般原論、電気・建築

6問中6問解答(必須)

 

【No.1】空気環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. 一酸化炭素は、炭素を含む物質の燃焼中に酸素が不足すると発生する気体である。
  2. 二酸化炭素は、直接人体に有害とはならない気体で、空気より軽い。
  3. 浮遊粉じん量は、室内空気の汚染度を示す指標の一つである。
  4. ホルムアルデヒドは、内装仕上げ材や家具等から放散され刺激臭を有する。

解答②

二酸化炭素は、比重が1.529で空気より重く、無色、無臭で空気中に存在し、それ自体は直接人体に有害ではないが、その濃度は空気中の汚染度と並行することが多いので、空気の洗浄度の指標である。

【No.2】水に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. 軟水は、カルシウム塩、マグネシウム塩を多く含む水である。
  2. BODは、水中に含まれる有機物質の量を示す指標である。
  3. 0℃の水が氷になると、体積は約10%増加する。
  4. pHは、水素イオン濃度の大小を示す指標である。

解答①

カルシウム塩・マグネシウム塩の含有量が多い水は硬水、カルシウム塩・マグネシウム塩の含有量が少ない水は軟水

【No.3】流体に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. 圧力計が示すゲージ圧は、絶対圧から大気圧を差し引いた圧力である。
  2. 毛管現象は、液体の表面張力によるものである。
  3. 流体が直管路を満流で流れる場合、圧力損失の大きさは、流体の密度と関係しない。
  4. 定常流は、流れの状態が、場所によってのみ定まり時間的には変化しない。

解答③

圧力損失=摩擦係数×(直管長さ/直管内径)×1/2×(流体密度×平均流速^2)
圧力損失の大きさは流体の密度に比例する。

【No.4】熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. 熱容量の大きい物質は、温まりにくく冷えにくい。
  2. 熱放射による熱エネルギーの伝達には、媒体が必要である。
  3. 熱は、低温の物体から高温の物体へ自然に移ることはない。
  4. 顕熱は、相変化を伴わない、物体の温度を変えるための熱である。

解答②

熱放射は、物体が電磁波の形で熱エネルギーを放出したり吸収したりする現象で、その伝達には媒体の存在を必要としない。したがって、真空中であっても熱放射による熱の移動がある。

【No.5】電気設備において、「記号又は文字記号」とその「名称」の組合せのうち、適当でないものはどれか。

  1. EM−IE ―― 600V耐燃性ポリエチレン絶縁電線
  2. PF ―――― 合成樹脂製可とう電線管
  3. MC ―――― 電磁接触器
  4. ELCB ――― 配線用遮断器

解答④

ELCBとは漏電遮断器、MCCBとは配線用遮断器のこと。

ELCB : Earth Leakage Circuit Breaker

MCCB : Molded Case Circuit Breaker

【No.6】鉄筋コンクリートの特性に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. 鉄筋コンクリート造は、剛性が低く振動による影響を受けやすい。
  2. 異形棒鋼は、丸鋼と比べてコンクリートとの付着力が大きい。
  3. コンクリートはアルカリ性のため、コンクリート中の鉄筋は錆びにくい。
  4. コンクリートと鉄筋の線膨張係数は、ほぼ等しい。

解答①

鉄筋コンクリート造は遮音性・断熱性に優れ居住性が高い。また剛性が高く、風や建物内外の振動の影響を受けにくい

 

 

【No.24~No.28】機器材料、設計図書

5問中5問解答(必須)

 

【No.24】空気調和機に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. パッケージ形空気調和機は、圧縮機、熱源側熱交換器、利用側熱交換器、膨張弁、送風機、エアフィルター等が、屋外機や屋内機に収納される。
  2. ユニット形空気調和機の風量調節には、インバーター、スクロールダンパー及びインレットベーン方式があり、省エネルギー効果が最も高いのはインバーター方式である。
  3. ガスエンジンヒートポンプ式空気調和機は、エンジンの排ガスや冷却水の排熱の有効利用により高い冷房能力が得られる。
  4. ユニット形空気調和機は、冷却、加熱の熱源装置を持たず、ほかから供給される冷温水等を用いて空気を処理し送風する機器である。

解答③

解説

①パッケージ形空気調和機は、本体の中に一連の冷暖房に使用する装置が組み込まれており、コンパクトな造りとなっている。

②インバーター(Inverter)とは、直訳すると、反転するものとされているが、コンバーター(Converter)により電流を交流から直流へ変換し、コンデンサを通して電圧と周波数を任意のものとなるように直流から交流へ変換する役割を持っている。それに対してスクロールダンパー(Scroll Damper)は、風量を羽根の開閉で調節できまるが、電力についてはインバーターほど細かく制御はできない。

③ガスエンジンヒートポンプ式空気調和機は、屋外機内にある圧縮機をガスエンジンで駆動し、ヒートポンプによって冷暖房を行う空調機器である。したがって、エンジンの排ガスや冷却水の排熱の有効利用により冷却能力に比べて暖房能力が大きくなる

④ユニット形空気調和機は、冷却塔や熱源装置については配管で繋ぎ、送風を行う。本体には組み込まれていない(マルチパッケージ形空気調和機には熱源装置やエアフィルターなどの装置が本体に組み込まれている)。

【No.25】設備機器に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. 冷却塔は、冷凍機等で作る冷水を利用して冷却水の水温を下げる装置である。
  2. 遠心ポンプでは、吐出し量は羽根車の回転速度に比例して変化し、揚程は回転速度の2乗に比例して変化する。
  3. 軸流送風機は、軸方向から空気が入り、軸方向に抜けるものである。
  4. パン形加湿器は、水槽内の水を電気ヒーター等により加熱し蒸気を発生させて加湿する装置である。

解答①

解説

①冷却塔は、冷凍機の凝縮器に使用する冷却水を冷却するもので、冷却水の一部を蒸発させて、その蒸発潜熱により冷却水の水温を下げる装置である。空気の潜熱による冷却作用の割合は小さく、主に水の蒸発潜熱を利用している。

②回転速度が速くなるほど吐出し量も大きくなり、揚程(ようてい)は回転速度の2乗、軸動力は3乗に比例して変化する。尚、軸動力(じくどうりょく)とは、ポンプが稼働した時のモーターの出力あるいは駆動気がポンプに与える動力をいう。

③軸流送風機(じくりゅうそうふうき)は、端的に言えば扇風機を大型にしたものである。設問のとおり、プロペラが回ることで軸方向から空気を取り入れ、勢いよく軸方向へ抜ける。長距離のトンネルの上部に換気する目的や、自動車のファンにも使用される。

④パン形加湿器は、パンと呼ばれる蒸発用の皿を電気あるいは蒸気ヒーターで加熱し、中に入っている水を蒸発させ、空気を加湿する装置である。パッケージ空気調和機に組み込まれており、冬季の暖房使用時は空気が乾燥するので、加湿機能を追加することができる。

【No.26】配管材料及び配管附属品に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. バタフライ弁は、仕切弁に比べ、取付けスペースが小さい。
  2. 逆止め弁は、チャッキ弁とも呼ばれ、スイング式、リフト式等がある。
  3. 硬質ポリ塩化ビニル管の接合は、接着接合、ゴム輪接合等がある。
  4. 硬質ポリ塩化ビニル管のVU管は、VP管に比べて設計圧力が高い。

解答④

解説

①バタフライ弁は丸型の弁箱とその中を通る軸、平たい円型の弁体からなるシンプルな構造である。圧力損失は少なく、バルブの厚さも薄くて済むなど経済性にも良い。

②チャッキ弁はチェックバルブとも呼ばれ、チェックにはせき止めるという意味を持つ。スイング式は管の吐出口から逆流する流体が弁体を押し込み、水平方向に自然に蓋をする仕組みである。リフト式は弁体が流体の圧力により鉛直方向に動き開閉する仕組みで、逆流しても弁体が自然に下がり流入を防ぐ仕組みとなっている。

③接着接合やゴム輪接合のほかに、加熱しながら接合を行う熱間接合や常温で行う冷間接合、差し込み接続などがある。

④VU管はVP管よりも肉薄な(うすい)構造であるため設計圧力は低くなっている。

【No.27】ダクト及びダクト附属品に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. 長方形ダクトの板厚は、ダクトの周長により決定する。
  2. 長方形ダクトのアスペクト比(長辺/短辺)は、原則として4以下とする。
  3. フレキシブルダクトは、一般的に、ダクトと吹出口等との接続用として用いられる。
  4. 変風量ユニットは、室内の負荷変動に応じて風量を変化させるものである。

解答①

解説

①長方形ダクトの板厚は、ダクトの構造的強度を決める要素である。同一板厚では長辺の方が短辺より弱いので、板厚は長辺の寸法を基に決めるのが一般的である。

②アスペクト比は1に近い数字であれば理想的で正方形に近い形状となる。4よりも大きな数字とすると、細長い形状となり、ダクト内で風量の損失が出たり、通風によりダクト自体が振動し、騒音の原因にもなる。

③フレキシブルダクトは蛇腹(じゃばら)状で柔軟性があり、伸縮や曲げることができるダクトであり、壁や天井に設けられた吹出し口とダクトを接続することができる。

④変風量ユニットは、風量を変化させることができる(Variable Air Volume)空気調和機であり、設問のとおり負荷変動に応じることができる。

【No.28】「設備機器」と「設計図書に記載する項目」の組合せのうち、適当でないものはどれか。

  1. 空気熱源ヒートポンプユニット ―― 冷温水出入口温度
  2. 送風機 ―――――――― 初期抵抗
  3. 冷却塔 ―――――――― 騒音値
  4. 瞬間湯沸器 ―――――― 号数

解答②

解説

①空気熱源ヒートポンプユニットは、冷凍能力、夏季外気温度、加熱能力、冬季外気温度、冷温水量、冷温水入口(出口)温度、冷温水損失水頭、電動機の電源の種別、出力、台数などがある。

②送風機に関わりのある項目は、形式、呼び番号、種別、風量、静圧、電動機の電源の種別、出力、防振材(ぼうしんざい)の種類、振動絶縁効率、台数などがある。初期抵抗は全熱交換器やエアフィルターで記載される項目である。

③冷却塔とは、エアコンの冷却システムに関わる設備で、冷却水を冷やす役割を持っている。形式、冷却能力、冷却水量、冷却水の入口(出口)温度、外気の湿球温度、電動機の電源の種別、出力、許容騒音値などがある。

④瞬間湯沸器は、形式、号数又は能力、ガスの種類、ガスの消費量、台数などがある。