【No.1~No.6】一般原論、電気・建築
【No.1】湿り空気に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- 湿り空気の全圧が一定の場合、乾球温度と相対湿度が定まると、絶対湿度が定まる。
- 絶対湿度は、湿り空気中に含まれている乾き空気1kgに対する水蒸気の質量で表す。
- 飽和湿り空気の乾球温度と湿球温度は等しい。
- 飽和湿り空気を冷却すると、相対湿度は上昇する。
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解答④
相対湿度とは、ある湿り空気の水蒸気分圧Pwと、その温度と同じ湿度の飽和空気の水蒸気分圧Psの割合(100×Pw/Ps)をいい百分率で表す。飽和湿り空気では相対湿度が100%となり、この温度以下に冷却すると露又は霜が生じ、相対湿度は100%のまま変化しない。
【No.2】水に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- 濁度は水の濁りの程度を示し、色度は水の色の程度を示す度数である。
- CODは、汚濁水を酸化剤で化学的に酸化するときに消費される酸素量をいう。
- DOは、水に溶けない懸濁性の物質の量を示す指標である。
- 硬度は、水中に溶存するカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの量を示す指標である。
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解答③
DO(溶存酸素)は水中に溶存する酸素量で、単位は[mg/L]で示される。水質の汚濁を示す指標ではないが、生物学的に有機汚濁物を浄化する微生物は魚介類の生活にとっては欠くことができないものであり、水質の重要な測定項目とされている。
なお、粒径2mm以下で水に溶けない懸濁物の量[mg/L]のことを浮遊物質(SS)といい、水の汚濁度を視覚的に判断する指標として使用される。
【No.3】流体に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- 水は、一般的にニュートン流体として扱われる。
- 1気圧のもとで水の密度は、4℃付近で最大となる。
- 液体の粘性係数は、温度が高くなるにつれて減少する。
- 大気圧の1気圧の大きさは、概ね深さ1mの水圧に相当する。
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解答④
大気圧の地上での大きさは101.32kPaであり、これが標準大気圧といわれ、1気圧である。これは概ね深さ10mの水圧に相当する。
【No.4】熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- 単位質量の物体の温度を1℃上げるのに必要な熱量を比熱という。
- 熱エネルギーが低温部から高温部に移動することを熱移動という。
- 単一物質では、固体から液体への相変化における温度は変わらない。
- 熱と仕事は、ともにエネルギーの一種であり、これらは相互に変換することができる。
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解答②
クラジウスの原理によると、熱が低音度の物体から高音度の物体に自然に移ることはあり得ない。熱エネルギーが高音部から低音部に向かって移動することを熱流といい、その機構には熱伝導、熱対流、熱放射があり、一般的にはこれらが複合して生じる。
【No.5】電気設備に関する「機器又は方式」と「特徴」の組合せのうち、適当でないものはどれか。
- 進相コンデンサ ―――――― 回路の力率を改善できる。
- 3Eリレー(保護継電器) ―― 回路の逆相(反相)を保護できる。
- 全電圧始動(直入始動) ―― 始動時のトルクを制御できる。
- スターデルタ始動 ――――― 始動時の電流を抑制できる。
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解答③
かご形誘導電動機の始動方式で全電圧始動の場合、始動電流が定格電流の5~8倍で電源系に著しい電圧降下を発生させたり、始動トルクが制御されない状態で始動させたりして、同一電源系統の他の機器の誤動作などを発生させる。
【No.6】コンクリート打設後の初期養生に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- 硬化中のコンクリートに振動を与えると、締め固め効果が高まる。
- 養生温度が低い場合は、高い場合よりもコンクリートの強度の発現が遅い。
- コンクリートの露出面をシートで覆い、直射日光や風から保護する。
- 湿潤養生は、コンクリートの強度の発現をより促進させる。
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解答①
打ち込み後、硬化中のコンクリートに振動等の外力を与えると、亀裂等の損傷が生じる場合があるため、コンクリートが十分に硬化するまでは十分な養生が必要であるとともに、振動や衝撃を与えないように注意しなければならない。
【No.24~No.28】機器材料、設計図書
【No.24】設備機器に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- ボイラーの容量は、最大連続負荷における毎時出力によって表され、温水ボイラーは熱出力〔W〕で表す。
- インバータ制御方式のパッケージ形空気調和機は、インバータを用いて電源の周波数を変化させて電動機の回転数を変化させることにより、冷暖房能力を制御する。
- 大便器、小便器、洗面器等の衛生器具には、陶器以外にも、ほうろう、ステンレス、プラスチック等の器具がある。
- 汚水用水中モーターポンプは、浄化槽への流入水等、固形物も含んだ水を排出するためのポンプである。
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解答④
解説
①ボイラー容量はボイラーの能力を表す。温水ボイラーは、給湯機の大規模なもので、石油を燃焼したり温水を作り出すことができ、暖房やお湯の供給に使用される。
②インバータは電流を直流から交流へ回路を変換するという意味で、交流電流では電圧や周波数の変化が難しいが、変化しやすい直流へ変換し再度交流へ変換しなおすことで電圧や周波数を変えることができる。
③陶器は頑丈かつ加工成型が容易、強力な洗剤にも耐性がある。ほうろうは、金属にガラスコーティングした素材であり、長寿命でさびにくく、プラスチックよりも劣化しにくい、色の種類が豊富、リサイクルできるため環境にやさしいとされる。ステンレスはさびにくい、摩耗に強い、高温低温にも耐性がある。プラスチックは、軽量かつ成型が容易である。
④汚水用水中モーターポンプは、浄化槽の処理水、地下からの湧水、空調機の排水などの固形物をほとんど含まない水を排出するために使用し、ポンプ径は40mm以上とする。なお、小さな固形物が混ざった水を排出するには雑排水用水中ポンプを使用し、ポンプ径は50mm以上とする。便所排水のように固形物を含んだ水を排出するためには汚物用水中モーターポンプを使用し、ポンプ口径は80mm以上が望ましい。
【No.25】飲料用給水タンクに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- 鋼板製タンク内の防錆処理は、エポキシ樹脂等の樹脂系塗料によるコーティングを施す。
- FRP製タンクは、軽量で施工性に富み、日光を遮断し紫外線にも強い等優れた特性を持つ。
- ステンレス鋼板製タンクを使用する場合、タンク内上部の気相部は塩素が滞留しやすいので耐食性に優れたステンレスを使用する。
- 通気口は、衛生上有害なものが入らない構造とし、防虫網を設ける。
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解答②
解説
①鋼材はさびやすい特性があるので、鉄材などが露出する部分には防錆処理(ぼうせいしょり)を施す必要がある(一部除く)。材質はエポキシ樹脂系のほか、ウレタン樹脂系やターペン可溶塗料がある。
②FRP製タンクは軽量で施工性に富み、耐食性・耐候性に優れ衛生的である。ただし、屋外に設置するタンクでは日光により内部に藻が生えたり、紫外線により劣化するなどの欠点を有する。
③ステンレス鋼材はクロムが含まれているため耐食性に優れており、殺菌に使用される塩素にも影響しにくい特性を持っている。
④飲料用給水タンクは、汚染を最も避けなければならない。大気中に開放される空間であり、通気口には防虫網を設ける必要がある。
【No.26】配管附属品に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- Y形ストレーナーは、円筒形のスクリーンを流路に対して45度傾けた構造で、横引きの配管では、上部にスクリーンを引き抜く。
- U形ストレーナーは、上部のカバーを外し上方にスクリーンを引き抜く。
- ストレート形ストレーナーは、流体がストレートに流れる構造でY形及びU形のストレーナーに比べ圧力損失が小さい。
- 複式バケット形のオイルストレーナーは、ストレーナーの点検が容易な構造である。
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解答①
解説
①Y形ストレーナは円筒状のスクリーンを流路に対して45度傾けた構造で、下部にスクリーンを引き抜くための空間を設ける必要があり、下部のレバーを外す際、ストレーナ内の流体が流れ落ちるので流体受けが必要になる。

②U形ストレーナーは側面部から液体が流入し、底部を通って反対の側面部へ流出する形状となっている。スクリーンは上部に引き抜くので、清掃や点検を行う際には液体がこぼれる心配がない。
③ストレート形ストレーナーは直線状に流体が流れる構造となっているので、途中で分岐するY形や進路方向が下降と上昇を伴うU形と比較して圧力損失は小さい。
④油をろ過するオイルストレーナーは、点検や清掃中にもう一方のストレーナーに切り替えることにより、継続して使用することができる構造となっている。カバーを外せば籠状のスクリーンが引き抜けるので、異物などが容易に取り出せる。
【No.27】ダクト及びダクト附属品に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- スパイラルダクトの接続には、差込み継手又はフランジ継手を用いる。
- エルボの内側半径は、円形ダクトではダクトの直径の1/2以上とする。
- ダクトの断面を変形させる場合、上流側の拡大角度及び下流側の縮小角度は45度以内とする。
- 長方形ダクトの板厚は、長辺と短辺とも同じである。
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解答③
解説
①スパイラルダクトは管の周囲を溶融亜鉛メッキでらせん状に巻いた管である。接続は継手の差込み、ビス打ち、シーリング、ダクトテープによる施工の差し込み継手や接続部に凸部を作ってボルト締めを行う施工のフランジ継手で行う。
②エルボとは、別方向にダクトを曲げる際に円滑に流体を流すために設けられる部材で、カーブを描いた形状の管をいう。エルボの曲率半径は大きければ大きいほど流体が円滑に進むようになり、管への負担も少なくなる。
③ダクトの拡大・縮小では、拡大の方が空気の渦やはく離が生じやすく圧力損失が大きい。拡大部は15度以下、縮小部は30度以下とする。
④長方形ダクトの板厚は長辺短辺ともに同じ板厚とし、板厚の選定基準は、ダクト内の圧力(低圧・高圧1、高圧2)による。
【No.28】次の書類のうち「公共工事標準請負契約約款」上、設計図書に含まれないものはどれか。
- 現場説明に対する質問回答書
- 実施工程表
- 仕様書
- 設計図面
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解答②
解説
①現場説明に対する質問回答書は、受注者が現場において質問した内容に対する回答が記載されており、より現場条件に沿った内容となっているため、設計書の中でも重要度が高い資料である。
②『公共建築工事標準仕様書 機械設備工事編 平成31年版』によれば設計図書は、質問回答書、現場説明書、特記仕様、図面、標準仕様書となっている。
③仕様書は、標準仕様書と特記仕様書がある。どちらも設計図書に含まれる資料で、特記仕様書の方がより現場条件に沿った内容となっている。
④設計図面は、発注者が設計書と共に図面に範囲や施工内容の詳細を示した図面である。設備の器具の位置関係や、使用する材料の指定、寸法などの詳細が記載されているので、非常に重要な資料である。