DB単価は会社ごとに違います
プラント配管業界に居ると、「DB単価」という言葉をよく耳にしませんか?
実はDB単価って会社ごとに異なります。不思議ですよね、でも理由は単純なのです。
溶接工の単価ですが
①人工単価 28,000円
②人工単価 24,000円
③人工単価 20,000円
こういった単価の並びで配管工事を受発注するのは、日本の建設業では一般的です。
DB単価の単純な例ですが
①1,400円/DB
②1,200円/DB
③1,000円/DB
材質、口径、配管仕様が一緒でも下請け構造上、DB単価は人工単価に比例して変動します。
でも、、、、、、、

なのです、知ってました?
つまり下請け構造上どこの位置にいても、口径、材質、配管仕様が同じあればDBあたりの作業量は

だという事です。
正確な根拠の無い見積方法
プラント配管工事の経験が無かった頃に、工場の職人さんに


こんな積算方法で見積書を提出したことはありませんか?私は過去に何度もありました。ではその案件は利益が出たのか?、、、、
完全に赤字でした、、、、、、



この案件の赤字の原因は何でしょうか?
DBごとの単価表が無い事が、そもそもの原因なのです。プラント配管は材質、口径、溶接仕様が明確ならば、単純明快に見積金額が弾けます。
見積もりの手順
通常プラント配管の工場製作の引合いは、発注者側からアイソメ図(スプール図)と数量表が支給されます。
数量表が支給されない場合は、アイソメ図(スプール図)から工場溶接部を拾い出し、工場製作のインチダイヤ(DB)を集計します。
インチダイヤ集計時は継手の種類、口径、材質を全て明確に計上し表計算ソフト(マイクロソフトエクセル)に入力します。ここにDB単価を打ち込めば集計結果が計算されるようにデータを作成しましょう。
以下のような表データを作成すれば良いですよ。
SW / BW | ミリ | インチ | リング数 | DB | 単価 | 金額 |
BW | 25A | 1B | 20 | 20 | *** | *** |
BW | 32A | 1.25B | 20 | 25 | *** | *** |
BW | 40A | 1.5B | 20 | 30 | *** | *** |
BW | 50A | 2B | 20 | 40 | *** | *** |
BW | 65A | 2.5B | 20 | 50 | *** | *** |
BW | 80A | 3B | 20 | 60 | *** | *** |
BW | 100A | 4B | 20 | 80 | *** | *** |
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配管DBの集計(エクセルで計算)
インチダイヤの集計は重要な作業 この記事の内容は数量拾い出しと若干カブりますが、大事なので読んで下さ ...
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配管の数量が不明確な場合
発注者から工場製作分と現場取付け分のインチダイヤ(DB)数が明確に提示されない場合は、「内作率(ショップ率)」を仮決めする事によって概算の見積もり金額を算出する事が出来ます。
【計算方法例】
SGP(黒瓦斯管) 100Aで溶接リング総数300箇所の場合
4B×300箇所=1200DB
ここで内作率を70%(発注者と擦り合わせが必要)と設定した場合
1200DB×0.7= 840DB
840DBが工場製作分のインチダイヤ(DB)となります。
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ショップ率とは?
ショップ率? 工場溶接DBと現場溶接DBの比率の事を配管業界では「ショップ率(内作率)」と呼びます。 ...
続きを見る
DB単価表のメリット
DB単価表使用することで、見積金額に悩む事が無くなります。
口径、材質、溶接リング数がわかれば、後は単価を掛けるだけです。
1,000DBでも5,000DBでもDB単価を基準として、各々の仕様のDBに単価を掛けるだけです。
つまり口径、材質、溶接リング数が確定していれば、配管工場製作の人件費は簡単に計算出来る、という事です。
- 見積作業に掛かる時間の短縮出来る
- 自信を持って見積金額を決定出来る
- 見積金額が担当者によって変動しない
- 原価が簡単に算出出来る
- 粗利益が正確に把握出来る
近日中にDB単価公開予定
溶接配管の工場製作DB単価を近日中に有料にて公開します。
対象となる事業者様
- SGP100A(4B)で1人1日20リング以上溶接可能な溶接工が居る事業者様
- 配管製作可能な工場を保有している事業者様
- 社内にDB単価の基準が無い事業者様
- 配管工場製作案件で安定した利益を出せない事業者様
- 経験値で大体の見積もりを行っている事業者様
このDB単価は配管製作用の設備を持っている事業者様のみ適用可能です。必要最低限として以下の設備が必要となります。
- 工場
- 定盤
- 天井クレーン
- 据え置き型バンドソー
- ディスクグラインダー
- 棒グラインダー
- TIG溶接機
- アーク溶接機
上記の設備を保有していない場合は、公開するDB単価では利益が出ませんので購入はお薦めしません。
工場製作DB単価に含まれる作業
- 芯引き寸法計算作業
- カッティング(切り出し)プラン作成
- 配管の切断作業
- 配管溶接部の磨き作業
- 配管溶接部の仮付け溶接作業
- 配管溶接部の本溶接作業
工場製作DB単価に含まれない作業
- 配管資材の荷受け作業
- 配管資材の仮置き作業
- 配管現場溶接部(FW)の検討作業
- 端末養生作業
- 配管塗装作業
- 製作した配管の出荷作業
この工場製作DB単価は配管製作の「労務費」のみとなりますので、実際の見積時には「労務費」の他に以下の項目が必要となります。
- 配管資材費
- 各種消耗品費
- 配管資材荷受け作業の人件費
- 端末養生費
- 塗装費
- 製作配管出荷作業の人件費
- 一般管理費
- 現場迄の輸送費
基準とする作業時間は7時間半(450分)としています。
配管工、溶接工の設定単価によってDB単価は変動します
- 配管工単価 20,000円
- 溶接工単価 24,000円
公開する工場製作DB単価は、上記の単価を基準としています。事業者様ごとの設定単価で比率計算すれば良いので、DB単価は簡単に設定可能です。
事業者様によって配管工、溶接工単価が変わりますので、工場製作のDB単価も会社ごとに変わりますが通常の事ですので気にする必要はありません。
公開するデータ形式はマイクロソフトエクセル形式、PDFデータ形式の2種類を予定しております。なおマイクロソフトエクセル形式のデータにおいてはマクロは使用しませんので、安心してご利用いただけます。